このあたりの図書、全部目を通すつもりだが(⁉)
まずは、阿辻哲次先生の本、2001年刊だが・・
(2001年)ヘビ年の年賀状の話(p202)
ヘビ年の年賀状は主役の動物が生々しく画面に出ることはほとんどないという話、
可愛らしいイラストでも蛇のやはりかなわないとでも考えたのか、
「巳」という字を大書したり、その漢字図案化したものもかなりあったという話。「巳」を漢字辞典でひくと、熟語欄はたいてい空白 (日常生活でその漢字を使うことがない)
しかし、この漢字は「表外漢字字体表」を作成するのに使用した「漢字出現頻度調査」(平成12年文化庁)では、2568位というなかなか上位に位置すると。
常用漢字1645字 常用漢字一覧 - Wikipedia
※現在の常用漢字は2136字。(平成22年内閣告示)
この調査の3201位までを表外字に入れるかの検討対象としたという話。
熟語がないのに印刷物で使われる頻度が高いというのは、固有名詞に使われることが多いという事を意味する、と
口訣:巳(み)は上に 已(すでにやむのみ)中ほどに 己(おのれつちのと)下につくなり(p208)
中国では、字書以外では、この三文字が必ずしも厳密に区別されたわけでなかったという、
論語の冒頭「学而第一」の最後の
子曰く、人の己を知らざるを患(うれ)えず、人を知らざるを患うるなり、の
己の字を、清朝考証学の権威のある書物(儒学の中心に位置する文献)が已としていると。
中国では混用されることが多いという話。字体より文脈が大事と。
それよりお座敷小唄の「妻という字にゃ勝てやせぬ」考あたりの方が面白いかもですが。
甲骨文字で、男の前にひざまずいていた「女」だが、
結婚式での、美しく花やいて輝く女性の姿の「妻」、髪飾りのようなものをつけた正装の姿、
夫の字と頭の部分が共通している。(人が直立した姿の大の頭部に飾り)(P212)
阿辻先生の本で手元にあるのは、「図説漢字の歴史」かな?さらに古い。(1989年刊)
新しくは、
落合淳思『漢字の構造』が読むべき本。
夫と妻だが、
字形を網羅的に集めることが重要という考えから、
p138‐139にたくさん挙げられていて興味深い・・
上は持っていなくて、
下の2冊はアリ。
他にもいろいろあるようだが・・
話し戻して、冒頭の図書のうち、買いたいと思うのは、白川静の
『文字講話』(平凡社/平凡社ライブラリー)