レネバーグによる言語獲得の臨界期仮説を裏付ける脳科学の進歩
臨界期仮説(critical period hypotheses)
臨界期とよばれる年齢を過ぎると言語の習得が不可能になるという仮説
レネバーグ(Lenneberg)
幼児の大脳の発達と母語の言語獲得の間にある関係を述べた
脳に障害を負った人の年齢と言語障害の関係を調査し、母語習得の臨界期は3歳から5歳ごろまでだと主張した
受精後
極めて早い段階から、中枢神経系の発達がある
胎児期
左右の半球をつなぐ脳梁が発達
出生時
大脳皮質の約140億の脳細胞がほぼ出そろう
新生児 脳重量約400グラム成人の25%
→3歳児 成人の約80%
→5歳頃 成人の90%
ネットワークを結ぶのに必要な軸索の髄鞘化による重量増加
脳機能の発達は、乳児期の早い時期に急速になされる
この時期に、シナプス(神経結合)の新生や排除(刈り込み)により、適切なものが残されていく
脳(前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉)
前頭前野の神経細胞 3歳頃までに急速に大きくなる 思春期から青年期まで再度漸増
ADHD児や自閉症児は前頭機能の発達の問題
思春期は脳の機能的発達の大きな転換点 臨界点
ワーキングメモリー(作動記憶)、語彙、空間認識、推理、計算
6~10歳で急速に変化
10~12歳での変化は見られなくなる