朴散華(ほうさんげ)即ちしれぬ行方(ゆくへ)かな
川端芽舎の絶作(辞世の句)
昭和16年7月17日43歳没
花が散り尽くしたあとのむなしい空に、行方もしえぬ花の行方を想う
大岡信『続折々のうた』P80
朴の花は天上の花とも呼ばれ、白く、大きく、幽玄である。高い朴の木の上枝に下枝にと咲いた天上の花がいつの間にか散って消えてしまった喪失感は、確かに大きい。とぼけた詠いぶりゆえに悲しみを誘われる。
「ごとく」を使った比喩の句(「如く俳句」などと呼ばれる)を多く作っている。
ぜんまいののの字ばかりの寂光土
これも有名だったと思う・・