「世界の植物」98(あと5冊)スウェーデンの ルント大学植物園
植物園めぐり
この植物園をもつルント大学は1668年創立で,1477年に設立されたウプサラ大学に次い で古い歴史と伝統をもっている。植物園は市のはずれにあり,植えてある樹木や,オラン ジェリー風を一部に残した温室などを見ていくと、古典の奥床しさに感銘を受けずにはい られない。
学名の始祖リンネも,1727年にルント大学 で学び,のちウプサラ大学に移ったのであっ た。なお,この地方は,1658年まではデンマ ーク領であったことを付記しておく 。
ここの特徴的な植物資料のひとつにシャリ ントウ属のコレクションがあり,植物研究室 の近くに,ひとまとめに植えてある。この属 の世界的な専門家であるスウェーデンのヒル メ氏が,この分類困難な属に入る種類の鑑定を受けもっているから,正確であり,由緒正 しい株がそろっている。なかには,中国大陸 の奥地で採集された種子から出た実生のもの も含まれている。
園内の一角には,かなり広い区画をとった 石組みの植え込みコーナーがあり,ここは多肉植物,とくにベンケイソウ科の植物を主体 にした展示標本園となっている。
私が訪問したのは,8月中旬。花盛りで, 色とりどりの美しいあや模様を見せていた。 センペルビブム属のピンク,黄緑,あるいは 黄白色の小花を集めた頭状花序も愛らしく, キリンソウ類の黄色の花が鮮やかだった。 冬の厳寒期には,その一部を鉢に移して栽 培室内で保護するという。
<文と写真·古沢潔夫 琉球大学教授> 植物園めぐり 🄫朝日新聞社
表記はルンド大学植物園
リンネを教えた博物学者のキリアン・ストベーウスの収集品や、アガードやアンデシュ・ヤハン・レチウス、エリク・アカリウスらの集めた標本が収められている
