「世界の植物」95 の植物園めぐりは スリランカのハクガラ植物園
植物園めぐり
中央に高い山を持つセイロン島の地形をうまく使って,スリランカ農務省は,それぞれ 特徴をもつ3か所の植物園を設けている。標高9メートルの低地にあるガンパハ植物園は コロンボに近く,ゴムやマンゴー,ヤシ類そ 他の純熱帯植物に力を入れている。標高4 メートルのペラデニアにある最大規模のペラデニア植物園は49号で紹介した。
ハクガラ植物園は標高1702メートルのハクガラにある。避暑地のヌワラエリアからあま り遠くなく,茶畑地帯の上限にある。ハクガ ラ・ロックと呼ばれる露岩の多い急斜面にあ り,総面積30万平方メートル。霧や雲に包まれ ることの多いここでは,緑の木々やヘゴなど の木性シダが勢いよく繁っている。とくに熱帯の高所に生える裸子植物がよく集められ,ヒマラヤやマレーシアの種類のほかに南米のものもかなりある。熱帯アジアのタケ類がこ れに次ぎ,クスノキ科,フトモモ科,マメ科 の樹種,とくにアカシア類が多い。
この植物園から500メートルほど登ったと ころに,セイロン島の特産植物の宝庫,ホー トン高原があるために,美しい花をつけるセ イロンの草花類や低木類も見られる。これに 混しってヨーロッパの草花類も,ここらくらいの高地では十分に育っている。正門に通じ る道の両側に生えているツクパネアサガオの 花は,とくに大きく見事であった。
ヌワラエリアからは自動車で約20分で行けるから,世界的に有名なセイロン茶の栽培地 を見るついでに,この植物園で暑さを忘れるのも一案だ。
<文と写真・小山鐵夫> 植物園めぐり ©朝日新聞社 1977
現在表記はハッガラ植物園で

