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「世界の植物」76 タラント植物園

「世界の植物」76 イタリア タラント植物園

植物園めぐり
北イタリアのマジョーレ湖畔の,ゆるやかな 丘陵地帯にこの植物園がある。
地名はタラント村のプンタ・デラ・カスタグノラ,かつて はカスタネアすなわちマロニエの木が茂る林 であったらしい。

 

起伏のある地形の園内は,高いところで湖 面から約100メートル,湖と周囲の山々の風 光を楽しむには絶好の位置である。この植物 園の創設者はスコットランド人のキャプテン・ マックイーチャンなので,全体の造園スタイ ルはイギリス式庭園である。しかし植えられ ている樹木のほとんどはこの地方のもので, 外来種は少ない。管理がいかにもよく行き届 いていて,生育状態は見事なものであった。 湖畔に位置するだけにポンプで吸み上げた豊 富な水を利用して,園内のいたるところに泉水やら流水などが配され,また谷や沼地,ハ ス池などもあれば,花壇,種々の彫像,礼拝 堂などの庭園的要素もそろっていて,散策を 楽しむには十分な施設となっている。

 

展示されている植物の特徴のひとつは,ト ウヒの類,レバノンスギ,マツの類,日本 スギなど豊富な針葉樹のコレクション あろう。園の半分以上を占めているのが,す ばらしい樹木園である。

日本からもち込まれたものとしては,カエ デの並木,カエデの園芸品種のコレクション が目についたし,カツラやユズリハ,ウメな どもあって生育状態も申し分なかった。園内 には大きな温室もあって,わたしが訪れたときには,オオオニバスが満開であった。

<文と写真·古沢潔夫 琉球大学教授> 植物園めぐり ©朝日新聞社 1977 

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