「世界の植物」75 ミュンヘン植物園
植物園めぐり
ミュンヘンの美しい市街地の西端に,有名なニンフェンブルグの城を取り込んだ公園が ある。それと背中合わせに,総面積20万平方メ ートルを,東は草本,西は樹木というように ほぼ半分ずつに分けたミュンヘン植物園がある。カバノキやカシノキ類,針葉樹などを薄暗いほどに植え込んだ樹木園には,「ゲーベル の道」や「アイヒラーの道」が通っており、 たどる人にドイツ植物学の歴史を思い起こさ せる。
東寄りの華やかな花壇に面して建つ標本館 には,外壁にも正面ロビーにもゲーベルのレ リーフがある。この植物園の母体は1812年に シュランクによってつくられたのだが,ほ 100年後に,「植物器官学」で知られ,雑誌「フロラ』の生みの親として名高い,ミュンヘ学教授であったゲーベルが,1914年にこの 地に移設し開園したものである。レリーフは、 その創設の功を賛えているのだろう。
草本園も見事だ。東端一帯は細かく区面 した分類花壇で,その一角のあずまやには 系統樹ふうの配置図があった。花を観賞しながら,植物の系統を学べるとは,さすがドィッ だ。収集植物は6000種,温室が17棟もある。
分類花壇に有用植物のブロックが続き,こ こには野菜,穀類、染料·繊維植物がそろっ ている。ロックガーデンには石灰岩植物群や カルパチア山系の植物群などを,生態的あるいは地理的特性に分けて、それぞれの小丘が築かれている。いかにもゲーベルの計画らし い,他の人には模像できない創意にあふれた 植物園といえよう。
<文と写真 清水建美> 植物園めぐり ©朝日新聞社 1977
この記事のニンフェンブルク城庭園には
2023年の6月に行ったばかりです・・ その規模に非常に驚きました・・
庭園の北側の森の小路を抜けていくと、ミュンヘン=ニンフェンブルク植物園がある。

photo byM20230603



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ミュンヘン大学では新設のミュンヘン=ニンフェンブルク植物園の設計に携わり、初代園長を務めた。
ゲーベル ( Karl Eberhardt von Goebel カルル=エーベルハルト=フォンゲーベル )
ドイツの植物学者。植物の形態、特に器官について研究し、近代の植物形態学の基礎を築く。また、学術雑誌「フローラ」を創刊。主著「植物器官学」
