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「世界の植物」69 メキシコ大学植物園

50年前の週刊朝日百科「世界の植物」69号の植物園めぐりは メキシコ大学植物園

 植物園めぐり
わたしがこの植物園をはじめて訪れたのは 1966年,そして3年後に再び訪ねたが,その 充実ぶりはすばらしいものであった。

 

植物園はメキシコ市から約11キロ南の,有名な大学都市シウダ・ウニベルシターリアの キャンパス内にある大温室――ファウスティノ・ミランダ温室と,さらに南東へ車で3 ほどのところにある屋外園の,ふたつの中心 施設から成立している。温室に行くには、メ キシコ市からひんぱんに出ているバスで約45 分。溶岩台地の自然の地形をそのまま利用して滝なども配した,直径30メートルほどのドーム型の温室内では,メキシコの熱帯多雨林 の植物がのびのびと茂っている。

 

屋外園の方は広さ約10万平方メートル, 3000種ほどの国内産植物が展示されている。とくに多肉植物とラン科植物の収集に力を入れており,おそらくリュウゼツラン属の収集では世界一であろう。

 

メキシコ大学では植物分類学の研究が盛んで,その研究や教育にこの植物園は大きく貢献するとともに,市民に広く開放されて大学自身の重要な文化活動をになっている。もらったパンフレットには大きな活字で,「植物園は地域の文化を反映する」とあったが,じつに活動的で魅力に富んだ植物園である。

 

なお,この大学の生物学研究室には,台湾植物採集の第一人者であり,メキシコにおいてもヤッコソウ属の発見をはじめ,研究にまた植物園の充実にと活躍されている,松田英二教授がいらっしゃる。

<文と写真·橋本保 国立科学博物館研究員> 植物園めぐり©朝日新聞社 1977

 

Aboc - アボック社 -第二十四話 中・南米の植物園

メキシコ市には、1952年ごろには二つの植物園があったが、メキシコ国内の植物分類学の衰退や、大学の経営方針に左右されて、ひとつの植物園はなくなり、現在はメキシコ国立自治大学生物学科付属植物園だけになった。 メキシコ市は半乾燥地だから、温室は加湿機構をもち、熱帯や亜熱帯雨林の植物が育成できるようになっている。屋外園は市外にあり、リュウゼツラン属のコレクションが素晴らしい。パイナップル科も多く、これらにメキシコ産植物を加えて、約3,000種が集められている。 この植物園の建設と発展に大きな貢献をした日系人の松田英二(故人)元メキシコ国立大学教授は、以前は台湾植物の採集家であって、同大学の所蔵標本30万点のうち2万点は松田教授の標本である。(小山鐡夫)

 

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松田 英二(まつだ えいじ、1894 - 1978)日本生まれで、メキシコで働いた植物学者


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