ちょっと休憩で
「人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか 」
(ブルーバックス)(中川毅著)をよんだ
この2月刊だが、5月で第4刷!「 古気候学」⁉・・・
*中川毅 1968東京生
古気候学研究センター|研究機構・研究所・研究センター 研究コンソーシアム|研究・産学官連携|立命館大学
「主に年縞堆積物の花粉分析を通して、過去の気候変動の「タイミング」と「スピード」を解明することを目指している」
本の惹句は
気候学のタイムマシンの発見 縞模様の地層「年縞」
福井県の水月湖に滞積する「年縞」(ねんこう)(varve)
何万年も前の出来事を年輪のように1年刻みで記録し、現在、年代測定の世界基準(ものさし)となっている
その年縞が明らかにしたのは、現代の温暖化を遥かにしのぐ「激変する気候」だった
過去の精密な記録から気候変動のメカニズムに迫り、人類史のスケールで現代を見つめなおす
水月湖15万年の気候変動だって~~←化石花粉データ
そしてここで、なぜか フラクタル幾何学が出てきた
未来予測はどこまで信じられるかという話
観測された気温の変動グラフを書いた場合、予測は直線となる?(人間が実感できる時間は長くても数十年)
「ある種の複雑な系には安定相と周期相、および乱雑な相が存在し、それらが予測不可能なタイミングで急激に切り替わる 」
「相転移を含むこのような変動パターンが、部分においては単純な線形相(安定相)や周期相を含んでいる」という事実は興味深い
気候変動に法則性はあるのか ミランコビッチ理論の限界
過去の気候変動を再現する 人間が氷期の到来を遅らせている?
温暖期と温暖期の間がおよそ10万年
*気候変動の3つの周期
ミランコビッチ理論(「原因と結果の意外性を感じた」)
地球が受ける日射量の周期的変化 氷期・間氷期の天文学的起源説
4.1万年周期の地軸の傾きの変化、10万年周期の地球公転軌道の離心率の変化、2万6000年周期の歳差運動の3つが重なり、日射量の周期的変化が生じルーブル
日射量の極小期と極大期が氷期と間氷期にあたる。
p185~の「農耕が始まらなかった理由」の節
アブ・フレイラ遺跡からみつかった栽培職j物の種子(ライムギ、ヒトツブコムギ、レンズマメ)の化石は、14C 年代測定によって、およそ1万2千年前のものであることが判明している
一方氷期が終わったのはおよそ1万1650年前。
つまりアブ・フレイラで最初に栽培された植物は、氷期の終焉よりもわずかではあるが古い
同じ事実のもう一つの重要な側面は、氷期に農耕を始めた文化圏がナトゥーフ以外にはほとんど見当たらないこと。
・農業の起源説にはそれほど説得力がなく、「始まったのでなく拡散した」
・現代の私たちに心地よい優越感を与える「農業革命」や「定住革命」といった言葉には、隠微な自意識(氷期の人類がまだ知性の発展途上だったという説)が極めて巧妙に埋め込まれている ・・・というのがちょっと面白い
*ミルティン・ミランコビッチ(1879- 1958)はセルビアの地球物理学者
*ブノワ・マンデルブロ( Benoît B. Mandelbrot、1924- 2010)
代数幾何学 数式 z2 − μ のイメージ
フラクタル幾何学
フラクタルとは、「似たような構造の集合体」