興味シンシン

興味津津または深深なnekoatama’s blog

生物多様性(景観生態学)

ランドスケープ・エコロジーということだが、

「景観生態学」と訳す・・・

ランドスケープというと、イングリッシュガーデンでの造園手法とかが思い浮かぶのだが、そういう景観の審美的造園ではなく、ここでは、

パッチ、コリドー、マトリクスという3種類のランドスケープ・エレメントの配置や組み合わせによる、生態の研究、その構造や機能や変化を検討する・・

 

生物生息場所としてのパッチ(点、班)
・・島嶼生物地理学の考え方の応用

島【パッチ状生息地】における種の数は、島【パッチ】の面積が限られていることによって起きる絶滅の進行と、
島【パッチ】に対して種を供給する大陸からの種の移入との

バランスで決まる

 ※島における移入と絶滅を島の面積と島の孤立度によって説明できる

・・事象の厳密なモデルとはみなしがたいが、必ず考慮すべき属性(生育場所の面積と孤立性)

ランドスケープ・エレメントの機能

■パッチ面積が大面積の生息場所で生息生育する生物の種類が多くなる理由

(1)境界効果の影響を受けにくいこと

(境界効果=生育場所の境界とそのすぐ内側は、生育場所の外側における微気候の影響を受けたり、捕食者や競争者が侵入したりして、内部とは生息条件が異なってしまう)⇔広範囲な生息条件に適応できるジェネラリスト種に有利

(生息場所特有のスペシャリスト種には不利)
(2)大面積の生息場所を必要とする種がいる

(猛禽類や大型の哺乳類)
(3)面積が大きいほど、内部に多用な微小生息場所が含まれやすい

(人為的な管理は面積の効果を打ち消す場合がある)
(4)面積が大きいほど条件の多様性が生じやすい

■パッチ状生息場所間の連結性

生息場所が孤立しているほど、生物の種類は少なくなる
連結された複数の生息場所全体からであれば、必要な資源を確保できる場合がある

個体群生態学においても、生息場所間の生物の移動可能性の重要性が指摘される・・個々の生息場所における個体群の脆弱性が相互に補われる

 

生息場所を連結するコリドー(生態的回廊) 

ランドうケープの構造の表現の尺度は、パッチ面積、パッチ間の連結の有無、最近隣の同種の生息場所までの距離

 

 

生物の移動路としての機能は、コリドー自体の属性や、パッチ・コリドーを取り巻く空間のあり方によって変わる。

パッチ・コリドーの役割は、内部の植生の構造に強く依存する。

マトリクス(パッチやコリドーを取り巻く空間、風景の「背景生態系」)のあり方も樹林地の内部の生物相に影響する

生物地理学は、ある種が特定の生息地・生育地になぜ存在するか、その理由を説明する試み

 1935年、イギリスの生態学者アーサー・タンズリーは、生物群集と生息空間(biotope)との間に成り立つ相互作用の系を生態系(ecosystem)と名付けた

生態学 - Wikipedia

 

  

(ランドスケープ研究:加藤和弘・・1995)

都市緑地内の樹林地における越冬期の鳥類と植生の構造の関係

鳥類群集保全のためには, 植生の下層部に配慮した緑地整備が必要である

It is suggested that we could improve the quality of habitats in urban area not only by increasing the area or the vegetation structure, but also by arranging greenways to connect the habitats.