書籍とは:表紙を除き、49ページ以上の不定期刊行物(川井良介)
文庫本とは:古今東西の名著を自由分売で廉価販売→読み捨てられる消費財
教養財から消費財へ
●ドイツ 1817 レクラム文庫:廉価で国民的な古典の復刻と教養書の大量生産
1950年代 ロロロ・ポケット文庫=「輪転機小説」
●イギリス 1935 ペンギン・ブックス:新しい本の刊行(映画やテレビとのタイアップ)
●アメリカ 1841 新聞の文芸附録による「マニュフェスト・デステイニー」(西部開拓は神から与えられた使命であるという思想)
1875「レイクサイド・ライブラリー」「シーサイド・ライブラリー」(非書店系の販売ルート
20世紀パルプ雑誌ブーム
第二次世界大戦中「ポケット・ブックス」社・・流通技術による低価格化
●日本 普及率、経済的アクセス、多様性で世界の最先端
1914年 新潮文庫創刊:翻訳文学中心
1927年
「世界文学全集」全57巻
「世界大思想全集」全54巻岩波文庫創刊
総合雑誌「キング」10万部突破
「太陽」廃刊
紀伊国屋書店創業
1938年 岩波新書刊行:教養目的又は時事的花き卸は新書、古典や復刻は文庫
A6判の標準化、ソフトカバーの一般化
1949年 角川文庫創刊
1970年代以降 古典や名著の二次利用という性格は薄れ、販路の多様化・文庫自体の多様化
雑誌とは「定期的に刊行される冊子形態の印刷メディア」(川井良介)
雑誌の特性は:
セグメント性(「読者の性別、年齢、職業、興味関心、趣味、ライフスタイル、所得、資産など」に応じて、雑誌が対象となる読者層を細かく設定すること)進化性(環境に応じて、内容・読者層の細分化や半径の拡大化が進行すること」
営利目的で出版されていることに伴う特性
発行費用を広告で補う
「メディア」という語が「広告媒体」の意味で新聞・雑誌・ラジオを示す広告業界用語として使われていた(佐藤卓己)
日本の雑誌
1867年創刊「西洋雑誌」
1895年創刊「太陽」(博文館):博報堂が独占的に広告担当
博報堂は1905年から1040年まで「東京朝日新聞」の一面を買いきって
全面出版広告を掲載
現代:店頭販売主流の雑誌こそが「広告媒体」としての純粋形態をとどめているメディアである(佐藤卓己
広告を収入源として廉価販売、あらゆる階級が読める媒体として機能
ジャーナリズム:報道と評論を合わせた活動(川井良介)
総合雑誌(「文芸春秋」など):報道的な属面が強い
新聞やテレビが伝える出来事の裏側を明らかにしようとする
興味本位的要素が少なくない
報道型と趣味型(二大類型分類)
雑誌や本は「物理空間」と「情報空間」のずれを生み出す最初の媒体
メディア利用の個人化の流れに先鞭をつけた
より多くの人に対する同一情報の普及が受信の個別化につながるというパラドックス
(大橋理恵)